【日本農業の真実】3
第3章、誰が支える日本の農業、です。
土地利用型農業、なかでも水田農業は後継者不足が顕著である。次世代を担う若者がいない。
過去10年間で農業就業人口は3分の2に減少した。
その原因は30〜40年前の若者の職業選択にあるため、事態を一朝一夕に改善させることはできない。
これに危機感を感じ、初めて国が新しい農業政策を公表したのが1992年、今から25年前である。
新政策…「新しい食料・農業・農村政策の方向」
この政策では
1.人材の確保
2.食料自給率の低下傾向に歯止め
を強調している。
「人材の確保」における3つの基本方針
①農産物市場をより自由競争的に
②効率的、安定的に生産を行う農家への農地の集積
③施策の集中化・重点化(経営規模の大きな農家に重点を置きつつ、土地持ち非農家や生きがい 農業、小規模兼業農家の存在にも触れられている。多様な農家形態をイメージしていたことがわかる。)
②に関する具体的な政策
…「認定農業者制度」1995年開始
(1995年 約4万件、2010年 約24万件)
※効率的かつ安定的な農業経営を行う農業者を認定する。融資が受けやすくなったり、農地が集積される拠点となったりする。
新政策の理念は、「食料・農業・農村基本法」に明文化された。
価格政策→経営政策への転換
・価格政策…買入保証、価格保証
1994年 コメの政府買入が備蓄用に限定
2000年 加工原料乳の保証価格終了
2004年 コメ備蓄用の価格も入札形態に
2007年 小麦、大豆などの公定価格廃止
⇅
・経営政策…農家の経営に直接的に関与する
2007年 経営所得安定政策導入
※ゲタとナラシとは?
ゲタ…輸入農産物との価格差を埋める
ナラシ…価格変動による所得の低下を埋める